不登校を克服したい高校生へ|安心できる学びの環境とは
- 松陰高校みなとみらい学習センター
- 7月24日
- 読了時間: 14分

▶︎1. 不登校を克服したい高校生へ:はじめに

1.1 高校生の不登校が増えている背景
近年、不登校に悩む高校生が増えてきています。
文部科学省の調査によれば、高校段階での不登校の割合は年々増加傾向にあります。
特にコロナ禍以降は、人間関係や学校のペースにうまくなじめず、教室から離れてしまう生徒が急増しました。
朝起きるのがつらい、学校に行くと体調が悪くなる、教室の空気が重く感じる…。
そんな思いを抱えながらも、誰にも言えずに悩んでいる人も多いはずです。
実際に、高校生の不登校は“心のSOS”であるケースがほとんどです。
学業だけでなく、対人関係、家庭環境、自己肯定感の低下など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
不登校になること自体は「失敗」ではありません。
むしろ、それは今の自分に必要なサインだったのかもしれません。
特に高校生は思春期の真っただ中。
進路や将来への不安、自分はこのままでいいのかという焦り…。
そうした心理的なプレッシャーが一気に押し寄せてくる時期でもあります。
まず大切なのは、自分を責めないことです。
そして「このままではダメだ」と感じているその気持ちこそが、克服への第一歩になります。
1.2 不登校からの「克服」とはどういうことか?
「克服」という言葉を聞くと、
「毎日登校できるようになること」
「周りと同じペースで授業についていけること」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも、ここで大事なのは、「克服」の定義は人それぞれということです。
たとえば、こんなケースも立派な“克服”です。
週1回だけ登校できるようになった
家での学習が習慣化してきた
新しい進路に向けて前向きになれた
親との会話が増えて気持ちが楽になった
こうした小さな一歩が積み重なって、やがて「自分のペースで生きる力」につながっていきます。
失敗しても大丈夫。うまくいかない日があっても問題ありません。
一番大切なのは、自分の心の声を無視しないことです。
無理に誰かの基準に合わせようとするよりも、自分らしく前を向いて進むことこそが、真の「克服」といえます。
不登校を経験した高校生が、その後社会で活躍したり、自分に合った進路を見つけたりしている例はたくさんあります。
だからこそ、今つらさを抱えている人にも知ってほしいのです。
あなたの未来は、今この瞬間から変えられるということを。
▶︎2. 不登校の高校生が抱える悩みと向き合い方

2.1 よくある3つの悩みと失敗例
不登校の高校生が抱える悩みは、一見すると似ているようで、背景にはさまざまな事情があります。
中でも特に多いのが次の3つの悩みです。
① 周囲の視線や評価が怖い
「どうして学校に来ないの?」という言葉や、無言の視線に対してプレッシャーを感じてしまい、登校する勇気が持てなくなるケースがよくあります。
登校できたとしても教室に入れなかったり、保健室で過ごしたりする日々が続いてしまいます。
② 勉強についていける自信がない
長期間学校を休んだことで学力の差が広がり、「今さら授業に出ても理解できないのでは」と不安に感じる高校生は多いです。
復帰後に無理をして一気に取り戻そうとして、かえって挫折してしまうことも。
③ 将来への不安が大きい
進学や就職のことを考えると、「このままじゃまずい」と思う一方で、どう動けばいいか分からず立ち止まってしまいます。
親や先生からの言葉が重荷になってしまうこともあります。
こうした悩みに対して、やってしまいがちな失敗が3つあります。
無理に周囲と同じペースで動こうとする
一度のチャレンジでうまくいかないと諦めてしまう
自分ひとりでなんとかしようとして抱え込む
どれも、気持ちは分かるのですが、解決にはつながりません。
大切なのは、「完璧にこなそうとせず、自分のペースを優先すること」です。
2.2 焦らず進むための心構えと小さな一歩
不登校を克服しようとする過程では、「焦らない心構え」がとても大事です。
周囲が学校生活を楽しんでいるように見えると、自分だけが取り残されている気がして不安になりますよね。
でも、克服への道は人それぞれです。
まずは「今日これだけできた」と自分を褒めることを習慣にしてみましょう。
たとえば、こんな小さな一歩でも十分です。
朝起きて制服に着替えられた
自宅で30分だけ勉強してみた
家族と少し笑って話せた
登校を考えるだけの気持ちになれた
こうした行動を積み重ねることで、少しずつ気持ちに変化が生まれてきます。
また、できたことを記録に残す「できたことノート」もおすすめです。
焦りを感じたときは、「まだできないこと」に目を向けるのではなく、
「昨日よりちょっとできたこと」に目を向けるだけで、気持ちがぐっと軽くなりますよ。
2.3 周囲の理解を得るためにできること
自分自身が不登校の状態を受け入れられても、周囲の人の理解が得られないとつらいですよね。
親や先生、友達との関係に悩んでいる高校生も少なくありません。
まず大切なのは、「自分の気持ちを言葉にして伝えること」です。
黙っていても、周りはなかなか気づいてくれません。 完璧な言葉じゃなくて大丈夫。正直な気持ちを少しずつでも伝えることが大切です。
たとえば、
「今は学校に行くのが怖い」
「勉強はしたいけど、教室には入りづらい」
「自分でも理由がわからないけど、つらい」
こんなふうに少しずつ心の中を見せていくことで、周囲も少しずつ理解してくれるようになります。
また、保護者には「どんなサポートがうれしいか」を具体的に伝えることも効果的です。
「そっとしておいてくれるだけでいい」「話を聞いてくれるだけで安心する」など、あなたなりの伝え方でOKです。
周囲の理解が得られることで、安心感が生まれ、次の行動につなげやすくなります。
まずは「味方」を一人でも増やすことから始めてみましょう。
▶︎3. 不登校を克服したい高校生の選択肢

3.1 通信制高校という学びの場
不登校を経験した高校生にとって、再び学び直す場所として注目されているのが「通信制高校」です。
最近では通学スタイルが柔軟で、心の状態に合わせて無理なく通える通信制高校が増えています。
通信制高校の大きな特徴は次の3つです。
登校日数を週1〜5日から選べる
自分のペースで学べる教材とシステム
個別指導やメンタルケアの充実
このような環境は、「教室に戻るのはまだ不安…」という高校生にとって安心材料になります。
また、レポート提出やネット授業を中心に学習が進むため、体調や気分に左右されにくいのも魅力です。
さらに、通信制高校では人間関係も一からスタートできます。
無理に集団の中で過ごす必要がないため、「他人と比べない学び」が実現しやすいんです。
「自分らしく学べる場がある」と実感できるだけで、心がグッと軽くなります。
3.2 自分に合った学習スタイルを選ぶコツ
通信制高校の魅力の一つは、選べるスタイルの多さです。
ただし、選択肢が多い分「どれが自分に合っているのか分からない…」と迷うこともありますよね。
そこで、自分に合ったスタイルを選ぶためのポイントを3つ紹介します。
① 生活リズムを見直す
自宅での過ごし方や、朝起きる時間などを振り返って、「どのくらい通えるか?」を考えます。 いきなり週5日通学は負担が大きいので、週1〜2日の通学型や在宅中心のコースを選ぶのが安心です。
② 自分の目標や興味を整理する
「卒業だけを目指したいのか」「大学進学したいのか」「資格を取りたいのか」など、目的によって適したコースが変わります。 進路指導や進学サポートがあるかどうかもチェックポイントです。
③ 無理なく続けられるかを重視する
スタイルが魅力的でも、無理があれば続きません。 通学場所・時間・人間関係の環境をよく確認しましょう。
多くの通信制高校では、個別相談や体験授業を行っています。
「雰囲気を見て決めたい」という人は、まずは見学から始めるのがおすすめです。
3.3 学び直しを支える制度やサポート
通信制高校は「一人で学ぶ学校」と思われがちですが、実際はさまざまなサポート体制が整っています。
たとえば、以下のような支援があります。
レポート作成サポート:学習内容を丁寧に解説してくれるフォローアップ授業
メンタルサポート:スクールカウンセラーやスタッフによる定期面談
進路支援:進学、就職のための個別指導や推薦制度
イベント・交流:社会性を養うボランティア活動や校外学習など
また、学費についても就学支援金制度が活用できるため、経済的な負担も軽減されます。
中には、外部支援機関と連携して、不登校経験者向けの特別カリキュラムを用意している学校もあります。
「自分ひとりじゃない」と思える仕組みが、学び直しをしっかり支えてくれるんです。
こうした支援を上手に活用することで、不安を安心に変え、自分のペースで確実に前進していくことができます。
▶︎4. 不登校の高校生が通信制高校で得る生活と成長
4.1 どんな学校生活が送れるのか?
通信制高校と聞くと、「毎日自宅で勉強するだけ?」という印象を持たれるかもしれませんが、実際には想像以上に“人と関わる学校生活”があります。
しかもその関わり方は自分のペースで選べるのが特徴です。
たとえば、週1回だけ登校して、個別指導を受ける生徒もいれば、週3〜5日通って、午前中だけ授業を受けるというスタイルもあります。
授業は少人数制で行われることが多く、にぎやかな教室が苦手な人でも安心して参加できます。
日常の学校生活では、こんな活動が含まれます。
自分専用の机で落ち着いて学習
専任スタッフとの1対1面談
自習時間の活用や相談タイム
小さなイベントやワークショップへの参加
「行きたいと思える場所になる」ことが、通信制高校の大きな魅力です。
また、体調や気分が不安定な日でも、無理せず休んだり、オンラインに切り替えたりできる柔軟さがあります。
この安心感が、不登校を経験した高校生にとっては大きな支えになるんです。
4.2 通信制高校のカリキュラムと卒業までの流れ
通信制高校では、卒業するために必要な単位数(74単位以上)を、自分のペースで3年間かけて取得していきます。
在籍期間やレポートの提出、スクーリング(登校日)など、卒業要件は法律で定められていますが、その中で柔軟に設計されています。
主な学習の流れは以下のとおりです。
レポート学習(自宅学習)
テキストや動画教材をもとに学習し、レポートを作成・提出します。
スクーリング(面接指導)
決められた回数だけ学校に登校し、授業を受けます。 この回数は学校によって異なり、週1日から選べることもあります。
テスト・単位認定
学期ごとや年度末に試験があり、それに合格することで単位が取得できます。
進路指導・卒業準備
進学・就職希望に応じて、進路相談や出願サポートが行われます。
カリキュラムには、必修科目のほかに、探究学習・キャリア教育・創作活動などが含まれることもあり、座学以外の学びも充実しています。
「今の自分に合ったスピードで卒業を目指せる」――それが通信制高校の最大のメリットです。
4.3 仲間との関わりと社会性の育み
不登校を経験した高校生の中には、「人との関わりが不安」「同世代とうまく話せない」と感じる人も少なくありません。
でも通信制高校では、そうした不安に寄り添った仕組みが整っています。
たとえば、生徒同士が少人数で参加するグループワークや、自由参加型のイベントが定期的に行われています。
無理に交流を強制されることはなく、「ちょっとだけ話してみようかな」という気持ちを大切にしてもらえる環境です。
こんな場面で仲間との関わりが自然に生まれます。
好きなテーマで語り合う自由トークの時間
小規模の学習サークルや読書会
地域と連携したボランティア活動
進路を共有し合う面談タイム
交流を通して、「同じような経験をしている人がいた」と知るだけでも気持ちが楽になります。
さらに、自然な会話の中でコミュニケーション力が育まれ、自信につながっていきます。
社会性は、無理に身につけるものではなく「安心できる場で少しずつ育てるもの」なんです。
このように、通信制高校は単に学び直す場所というだけでなく、“自分を再構築する場所”としても機能しています。
▶︎5. 実際に不登校を克服した高校生の変化
5.1 よくある成功パターンとポイント
不登校を経験した高校生が通信制高校などを通じて「克服」していく過程には、いくつかの共通するパターンがあります。
それらには焦りを手放し、自分らしいペースで進む工夫が詰まっています。
主な成功パターンは以下の通りです。
① 小さな目標を積み重ねる
「週1回登校する」「レポートを1枚出す」など、簡単な目標をクリアすることで自信を回復していきます。
② 自分の“得意”を見つけて伸ばす
学校生活の中で「これならできそう」と感じることに積極的に取り組むことで、自己肯定感が育まれていきます。 絵を描く、パソコン作業、資料づくりなど、得意は人それぞれです。
③ 周囲との程よい距離を保つ
無理に人と関わらず、必要なときに相談できる環境を活用することも、安定した生活のポイントになります。
不登校からの克服は、競争ではなく「回復と再構築」のプロセスです。
急いで結果を出そうとするのではなく、自分らしい成長を目指すことが大切です。
5.2 家族のサポートとその大切さ
不登校の克服において、家族の支えは非常に大きな力になります。
ただし、間違ったサポートは逆効果になることもあるため注意が必要です。
ありがちなNG対応にはこんなものがあります。
無理に登校させようとする
原因を追及して問い詰める
他の子と比較する
このような対応は、本人に「自分は否定されている」と感じさせてしまい、心を閉ざす原因になります。
一方で、効果的なサポートには次のようなポイントがあります。
本人の話をさえぎらずに最後まで聞く
「いつでも味方だよ」と言葉で伝える
本人が動き出したときに一緒に喜ぶ
特に重要なのは、「信じて見守る姿勢」です。
行動を起こすまでには時間がかかることもありますが、焦らず、静かに背中を押し続けることが大切です。
また、家族自身が相談窓口や支援機関に相談することで、適切なアプローチが見えてくることもあります。
家族が心の余裕を持つことが、結果的に本人の回復にもつながります。
5.3 通信制高校で得られる「自信」と「将来像」
通信制高校での学びを通して、多くの不登校経験者が「自信」と「将来へのビジョン」を取り戻しています。
これは単に学業の成果というよりも、「自分が認められる体験」が積み重なった結果です。
こんな変化がよく見られます。
「行ける日は登校する」が当たり前になる
学んだことを人前で発表する機会を楽しめるようになる
進学や資格取得に挑戦し始める
将来の夢や働き方を語るようになる
通信制高校では、一人ひとりの成長を丁寧に見守ってくれる環境があります。
テストの点数や出席日数だけで評価されるのではなく、「どう頑張ったか」がきちんと認められるのです。
こうした経験を通して、多くの高校生が「自分でもできる」という感覚を取り戻していきます。
それがやがて、自信となり、目標を持って前に進む力となっていきます。
この変化こそが、不登校を経験した高校生が通信制高校で得られる最大の価値といえるでしょう。
▶︎6. まとめ:自分らしく高校生活をやり直すために
6.1 「克服」は自分のペースで進めば大丈夫
ここまで、不登校を経験した高校生が、どのように自分らしいペースで学校生活を再スタートできるかについてお伝えしてきました。
一番大事なことは、「克服」は他人と比べるものではないということです。
昨日よりちょっと元気に過ごせた。朝起きて制服に袖を通せた。それだけで十分な一歩なんです。
不登校の経験は、決してマイナスではありません。
その時間があったからこそ、自分としっかり向き合うことができた。 自分に合った学び方や人との距離感に気づけた。
そんな気づきが、これからの人生を豊かにしてくれるはずです。
焦る必要はありません。
周りのペースに流されず、「自分のリズム」で動き出すことが、真の克服への近道です。
6.2 まずは相談することから始めよう
もし今、「このままじゃダメだ」と感じているなら、それは変わりたいと思っている証拠です。
でも、どうやって動き出せばいいか分からない…。そんなときは、まず誰かに相談してみることが何よりの第一歩です。
身近な大人や学校の先生、支援センターや通信制高校のスタッフなど、話を聞いてくれる人はたくさんいます。 言葉にするのが難しければ、メモやLINEでも構いません。
一歩踏み出すだけで、見える景色はガラリと変わります。
「こんな道もあったんだ」と気づけるはずです。
「相談すること」は弱さではなく、変わるための強さです。
あなたが自分らしく過ごせる場所は、必ずどこかにあります。
それを一緒に探してくれる人も、きっといます。
無理のないペースで、ゆっくり前に進んでいきましょう。
▶︎不登校からの再出発なら松陰高校みなとみらい学習センターへ
通信制・単位制の柔軟な学びで、不登校を経験した高校生が自分らしいペースで成長できます。
週1日から選べる登校スタイルや、基礎学力を育む個別ゼミも充実。
まずは学校見学や個別相談にお越しください。
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